小学校低学年の時は、こずかい貯めてその辺の50代60代のおっちゃんに紛れて一丁前に釣り馬鹿三人でヘラ台出して、竹竿だして、自分で針くくって、前日の晩から家で自分のオリジナルの餌で、その頃の体付きにしては全くサイズのあってないパラソルを生意気にさし、ヘラ釣りをしてた。
近場の大和川へ自転車40分かけて行けば、マブナは100本は釣れた。
俺たちはヘラ台を手にもちリュックに仕掛けとおにぎりを入れ、100本釣れる大和川には目もくれず、山を目指した。山の梺からは道ではない道を目印頼り重いへら台を持ち、3.40分かけて登った。
やっと着いたその静まり返った小さな小さな三角形の池や鳥達は、今思えば俺達の疲れを毎回毎回すべて吹き飛ばしていた。水分もとらず焦る気持ちを抑えて、急斜面にへら台を静かに準備する。
小学3年生の三人が、時には笑いほぼ真剣。
話はするが、浮きからは目を離さない。
待ちに待つ時は、ほぼゼロ。
冗談抜きで三人丸一日で1回。
その瞬間がくると三人一心同体。
絶対釣り上げてくれと、叫び、祈る。
ハリスも極細。一瞬でも気をゆるめる事は無い。
何分もの格闘の末に上がって来た、何色か解らない透き通る様に綺麗なヘラを見ると三人一緒にガッツポーズ。
えーなー。
なんて何一つなかった。
友達が釣り上げた一匹に心底喜んだ。
今思えば、そんな小さい頃から数より
"自分に価値のある一匹を求めて"
いた。
RECORD平山氏の、ほんの一部ではあるが、かなり伝わる文章。
http://www.rotton.jp/innerhandwbrec.html
鳥肌。
それは、積み重ねた経験。
168 BACK PLUGGERS NAOKI
〜第二章へつづく〜
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